2025.1.11
Webデザイン ガジュマル 高橋政宏さん
ホームページやECサイトの立ち上げからチラシやバナーのデザインまで、多岐にわたる業務を手がける、Webデザイン ガジュマルの高橋政宏さん。香川県出身の高橋さんは、就職を機に豊前市に移住し、現在は全国各地からの依頼を受けるWebデザイナーとして活躍しています。
豊前市を拠点にした働き方やデザインに込める思いについてお話を伺いました。
思いに導かれ、副業からはじめたWebデザインの仕事
幼い頃からパソコンやインターネットに親しんでいた高橋さん。小学生の頃はワープロをおもちゃ代わりに使い、学生時代にはブログを立ち上げるなど、デジタルに強い興味を持っていました。一方で大学では土木学科を専攻し、そのまま土木建築業界へ就職。しかし、心の中では常にWebデザインへの関心が高まり続けていたと言います。
「会社員として働く一方、副業でWebデザインの仕事を続けていました。シングルファーザーだった時期があり、その頃は仕事と子育てを両立するため、本当に慌ただしい生活を送っていました。その中で『お金と時間をもっと自由にコントロールできる働き方がしたい』と強く思うようになったんです」
副業を続けるうちに人脈が広がり、Webデザインだけで生活できる自信がついたタイミングで独立を決意。10年以上勤めた本業を離れ、Webデザイナーとして新たな一歩を踏み出しました。
成果につながるデザインを、豊前の地から全国へ
高橋さんの仕事のモットーは「お客さまの課題を解決し、成果につながるデザインを届ける」こと。単に見栄えの良いデザインを作るのではなく、お客さまの声を丁寧にヒアリングして課題やニーズをしっかり理解し、それに応じた提案をすることを大切にしています。
「例えば、集客や採用など、お客さまの悩みに応じてどのようなものを作るか方向性も変わります。細部まで配慮して制作しているため、実際に『成果につながった』といったご報告をいただくと『この仕事を選んで良かった』と思います」
また、横文字の多いWeb関係の用語にとっつきにくさを感じるお客さまも多いもの。高橋さんは専門用語をできるだけ使わず、相手に分かりやすく伝えることも心がけています。その姿勢が評価されて「分かりやすく教えてくれて安心できる」「丁寧で話しやすく、またお願いしたい」といった声も多数寄せられているそうです。
印象的な仕事として挙げてくださったのは「ZigZag」の制作物です。
「元々は倉庫だった建物がたくさんの人が集う場所へと生まれ変わるタイミングで、ロゴやWebサイト、リーフレットなどの制作を担当しました。音楽イベントでバンドメンバーとして参加したり、再婚の際に結婚式を挙げさせていただいたり、ZigZagは個人的にもとても思い入れのある場所。新しいスタートをサポートできたのは嬉しかったです」
穏やかな暮らしがもたらした、心の余裕と新しい働き方
高橋さんが豊前市に移住したきっかけは就職でしたが、今では「ここに住んで良かった」と実感しているそうです。
「豊前市は人が温かく、壁を作らず接してくれるところが魅力です。地理的な意味でも、都会から離れた静かなまちで、暮らしやすい。実家は香川県の中心部にあるのですが、帰省後に豊前市に戻ってくるとホッとするんです」
また、豊前市に移り住んでから、自分を見つめ直す時間を持てるようになったと話します。
「移住後も、仕事や子育てで決して時間的な余裕があったわけではありませんが、豊前市特有の落ち着いた雰囲気が気持ちの余裕を持たせてくれました。そのおかげで今後のビジョンが見えるようになり、こうして独立もできました」
現在、高橋さんは全国各地、さらには海外在住のデザイナーとオンラインで協業しながら仕事を進めています。インターネットを活用すれば、住む場所に縛られず働けるのは大きなメリット。豊前市の穏やかな暮らしを楽しみながら、多様なつながりを広げています。
今後は「共に働けるWebデザイナーを増やすこと」が目標。SNSでの発信を通じ、デザインに興味を持つ人々に向け、デザインの技術やマーケティング、さらには個人事業主として仕事を進める上で大切なマインドなどを学べる場を提供しています。
「ただ制作物を作るだけではなく、デザインで課題を解決する。そんな志を持つ仲間を増やしたいですね」
豊前市での暮らしと仕事を両立しながら、夢を広げる高橋さん。その姿は、新しい働き方を模索する人へ、大きなヒントを与えてくれるはずです。